ストレリチア秘話No.37 ストレリチアの花 美しさは苞で決まる その2

 ストレリチアは、どの株も、皆、似たようなもののように見えますが、一カ所だけ、個性が際立って差が出る部分があります。それは「苞」の色です。鈍く灰色がかった緑色から、ピンク色、赤、紅、紫紅色、まれには黒っぽい、といえるほど濃い紅色のものまで、千差万別なのです。しかも、これが交配の親の組み合わせ次第で変化するのですから、まさに育種家の腕の振るい所なのです。

 ストレリチアの花の印象の決め手は、花弁だけではなく、苞の色が大きな役割を果たします。一つの株を大切に守り育てる人も居ることでしょう。しかし、個性豊かな株を揃えて、その変化を、奥深さを楽しむ人もいるのです。開花期の違いもあります。早咲きから遅咲きまで揃えれば、夏の2か月以外の10か月、花を眺めることさえできるのです。ストレリチアとは、なんと融通の利く花でしょう。頑固だ、などというのは、ある一面を指しているだけなのです

クウレハ川自生地