ストレリチア秘話No.38 ストレリチアの切花 あれこれ

 私の所へはストレリチアの株をお求めのお客さんばかりではなく、切り花のお客さんもいます。大抵は、他所では手に入らない品質の高いものを望んでいらっしゃるのですが、中には、それを通り超して、特殊な注文の人までいらっしゃいます。その代表は生け花のお師匠さんです。

 華展に出品する作品のための材料を探しに来られれるのです。そこまでは良いのですが、案は、すでに出来ていて、それに会う材料を探しに来られるのです。困るのは、生け花のアイデアが優先して、植物の都合などは後回しのことが度々です。

 ストレリチアの花は首が直角に近く曲がっていますから、向きがあって両脇に使うには問題はありませんが、真ん中、「真(しん)・・・池坊の場合」と呼ばれる位置に使う場合は、ちょっと困るのです。そこで、曲がっていない、真っ直ぐな花が欲しいと来るのです。

 こんな花、ないことはありません。しかし、これは植物が間違って育ってしまった奇形ですから、そうそう、いつもあるわけではありません。出会えるのは運次第なのです。

 この私、困ってしまうこともあるのです。