ケープタウンにて
1999年、第6回に訪れたケープタウンは、大賑わいの国際観光都市になっていましたが、私が最初に訪れた頃は、まだ静かな佇まいを見せてくれていました。私は早速、平尾先生から紹介のあった郊外の古都にあるステレンボッシュ大学の植物研究室を訪れました。やはり、ここでもストレリチアについての情報は得られず、ぎんなんの種子を送ってもらえないか、と頼まれただけでした。
その帰り道、ケープタウンの港の見物に行った際、黒人の少年のスリの被害もあったりして、落ち込んだ気分となって、どうにもならないなら日本へ帰ろうか、とさえ、思いはじめていたところ、通りかかった韓国領事館の職員から、
「そんなことなら、日本領事館に頼っててみたら、どうか、韓国領事館のすぐ近くですよ」
との助言に従い、早速、日本領事館を探し出して訪れました。それまでの私は、領事館がどれだけ働いてくれるのか知りませんでした
実は、これが大正解だったのです
「やっぱり、ピンチはチャンス」
なのです。
親切な領事は私の話を聞いてくれて、早速、職業柄の人脈を通して、電話をかけまくってくれはじめたのです。
「日本から、こういう希望をもった人物がきていますが会ってくれますか」と。