ストレリチア秘話No.57 ストレリチアの本質に迫りたい ―研究者の願いー その9

セント ジョージ パークにて

 朝、ホテルを出て、タクシーで市内にあるセント ジョージ パークへ向かいました。日曜日の朝、くつろいでいるところへ、予約もなく訪れるのは失礼なのは分かっています。しかし、私には他の道はなかったのです。

 公園の中心、うっそうと繁った森の中ほどに園長の官舎がありました。訪ねますとシェルトン氏が出てきましたので、要件を話し、添え状を見せましたところ、

「泊まるホテルもない?私に任せなさい、あなたの身柄は預かった。」

と、もう、用はない、とタクシーも追い返しました。

 家の奥に5歳ぐらいの男の子が見えました。この時は、まだ幼稚園児でしたが、彼は、また、彼はこの後、私の助手として活躍してくれるマーク君でした。また、彼は私の英語の先生でもありました。立派な大人が良い先生とは限りません。私が間違えても不思議に思いません。自分もやるからです。つまり、気楽にしゃべれるのです。

 シェルトン氏が、

「午後から自生地を案内しますから、午前中は公園を案内しましょう」となりました。実は日本の公園とは、大違い、娯楽施設からスポーツ施設までを含めた幅広いものだったのです。その中の一つ、石作りの円形劇場にも案内されました。この町はイギリス開拓民によって開かれた伝統がありますから、ここではシェークスピア劇が上演されるのでしょう。