南アフリカを訪れるのは、7月、ストレリチアの花の多い季節です。一度だけ、9月にしたこともありましたが、やはり、花が少なく、困ったこともありました。南半球は我々の北半球とは季節が逆です。東アフリカのケニアなどとは違い、私の行くのは大陸の南端ですから、季節がはっきりと逆転するのです。それだけに、生理上、色々と問題が起きてきます。短期間の観光旅行でしたら、気がつかないまま、過ぎてしまうかもしれませんが、1ヶ月もいると、はっきりと表れてくるのです。
出発するのは、大抵が7月の初めで、私の体は夏の気候に会わせて、汗腺が開いてきたときです。それが、いきなり、冬の土地に降り立つのです。しかも、空気がカラカラの乾燥地帯です。汗腺は閉じてもらわなければなりません。しかし、私たちの体は機械と違って、すぐには動いてくれないのです。最初の2,3日、喉の渇きに悩まされます。体から水分が出ていってしまうのです。
朝、ホテルの朝食の時に、ジュースをたっぷり飲んで出発するのですが、長くはもちません。仕方なく、ペットボトルの水を用意することになります。こうして、徐々に慣れてきたころ、もう、帰国することになるのです。
帰り着いた日本は真夏の盛りです。それなのに私の体は冬の体勢になってしまっているんです。だけど、元の夏向きの体に戻ってもらわなければ生活に困ります。それなのに、そうなってはくれないのです。どうも、人間の体は、一度は切り替えが出来ても、二度は簡単ではないらしいのです。暑い日中は外へは出られず、家の中でブラブラ。これでは仕事になりません。結局、夏の間は使い物にならない人物となってしまいました。