私は毎年、多くのストレリチアが枯れるのに立ち会います。幸い、日本本土ではベト病、軟腐病で枯れることは滅多になく、寒さで凍ってしまうことが殆どの原因です。ストレリチアが凍るのは、0℃近くまで下がった低温によって、成長点が凍ってしまうことから起きます。
鉢植えは根までも外気にさらされますから影響が大きいのですが、地植えの大株の場合は、周囲の茎に守られて、成長点が生き残るチャンスがあります。栽培をやめてしまって、ビニールも張られることもないのに、生き残って困ってしまうことを見るのは珍しくありません。枯れてくれれば整理がつくのに、生き残られて迷惑なのです。こうなると、ストレリチアを枯らすのは、容易ななことではない、とも言えるでしょう。
このことから分かるのは、ストレリチアを寒さから守るには、成長点が凍るのを防げば良い、ということになります。近頃、やや寒い所でも、地植えが可能だ、と分かってきたのは、このことにあるのです。鉢植え栽培は手がかかる地域なのに、一見すると無謀のように見える地植え栽培なら出来ることは明るいニュースです。これは、鉢植えでは、根まで外気温にさらされるのに対し、地植えでは、根は暖かい大地に守られているからなのです。
ネットを被せれば、成長点どころか、葉や茎まで保護することが可能です