ストレリチア秘話No.88 ストレリチアの流通 その1

 近頃のホーム センターに並んでいる植物、草花でも、観葉植物でも、相当に水準の高い品が並んでいます。昔を知る人にとっては驚くほどです。そこで、ストレリチアも同じだろうと思って手に入れる。この誤解が間違いの元となります。ストレリチアは、まだ、別の道をたどっているからです。簡単にいえば、まだ、昔の素朴な段階にある、といえるのです。別ないい方をすれば、並の品なら兎も角、質の良い物は、そのルートには乗ってこない、

いや、乗れない、と言った方がいいかもしれません。

 ストレリチアは生長に年数が掛ります。つまり、生産費が掛かるのです。それなのに出荷してみると、それに見合った値はつけてもらえません。草花のように、すぐに、大量に売れる品ではないからです。小売値は高くして、仕入れ値は安くすることになってしまいます。

 これでは、出荷する方は割に合いませんから、どうでもよい整理品を捨て値でもよい、と出してくるのです。これは経済上は辻褄のあうことですから、生産者が悪い、とはいえません。

 仕入れて、高く売る方も同じです。それなりの事情を抱えているからです。こう見てくると、値段の高い物イコール 良い物、ではないことが分かります。高い値をつけることに、それなりの事情があるだろうからです。