ストレリチア秘話No.90 ストレリチアの葉が丸まってしまう 

 こういう質問を受けることは珍しくありません。この場合は葉の大きなレギーネのことです。葉のないジャンセアでは起きる筈はありませんし、葉が小さくて硬いパービフォリアでは目立たないので気がつかないことが多いのです。

 原因の第一は、今まで室内に置かれていたもの、或いは戸外でも日当たりの悪い所にあったものが、急に強い日射の戸外に出された場合に起きます。慣れない強い日射を浴びせられたので、身を護るための現象です日差しが弱くなる夕方には、また開いてきます。正常な環境の中にあっても、梅雨が明けて、いきなり強い日差しを浴びると、少しは、この現象は起きます。要は、慣れさせれば良いだけのことです。

 ストレリチアの葉は、強い日射の中では直立します。これは日光を直角に、まともに受けては強すぎるので、斜めに受け止めるためです。これに対し、光の弱いところでは、無駄なく受け止めようと直角に開くのです。

 第二は、育て方が悪く、根が十分に水が吸えず、葉の蒸散とのバランスが取れていない時です。この場合は、根を健全に育てるしかありません。そうすれば正常に戻ります。このことは植物全般についてのことでありますが、ストレリチアは、強い日射を好むだけに、気になってくるのです。やがて正常に戻ると、こんなことがあったことなど忘れてしまう、まあ、そんなとこです。

 強い日射が好きにもかかわらず、余りにも強い光は避けるために直立する。その引き締まった姿がストレリチアの理想です。