ストレリチア秘話No.101 ストレリチア 最前線 その2

 次は矮性種です。これが一番、容易ではない仕事でしょう。元々、数が少ないのに殖やすのがたいへんなのです。花を咲かせるだけでも養分を消耗させてしまうのに、その上、種子をつけさせれば、息も絶え絶え、枯れてしまう恐れも出てしまいます。貴重な株を、こんな目にさらすことは出来ません。結局、株分けに頼るしかないのです。また、新しく探すには、矮性ではない、普通の姿の苗から探すしかないのですが、これがまた、確率が低いと来ています。やはり、矮性種は、希少で、貴重品なのです。

 いま、期待しているのが、ジャンセア黄色種の中からの矮性種です。すでに候補が出てきています。こちらは、元々が花立ちのよい系統なので、この点の心配が少ないのです。

 こういう状況にもかかわらず、今イチ、人気が出ないのが不思議ですが、これは、まだ知られていないからでしょう。それでも、いい、と思っています。なにしろ、数人のお客さんが来ただけで、なくなってしまう位の数しかないのですから