ストレリチア秘話No.102 質素な、素朴なストレリチア栽培を目指す その1

 私の栽培場は、4年前、2019年の台風15号のために、ガラス温室が飛ばされる被害を受けました。以来、新しい施設は作らず、最低限、素朴な対応でのストレリチアを目指しています。ストレリチアの栽培を初めてから、ずっと、ストレリチアを人工的に守ろうと施設に頼ってきたのが、自然災害によって無残にも果たされなくなってしまったのです。そこで私は考えたのです。私のとってきた道は間違っていたのかもしれない、ストレリチアには、もっと別な方法があるのではないか、と。

 それは、ストレリチアの最低限の欲求を知ることで、必要の無い環境条件を整えることをしないこと。つまり、余分な施設や設備はつくらないことを目指せばよいのではないでしょうか。今の私から見ると、趣味栽培では、マンションのベランダは最高のストレリチア栽培場に見えます。東京を例にとれば、ストレリチアが耐えられる冬の最低温度を十分に確保できています。ただし、これでは開花には不足なので、花がついていれば、それだけを室内に取り込めばよいのです。夏は日当たりの良い位置に移動すればよく、強風には守られ、理想的ともいえる環境です。

 私の目指した施設に頼らない栽培法は、趣味の人たちにも役立つことと思っています。