ストレリチア秘話No.107 ストレリチア原種の風格  その1

 私の所には3種のストレリチア原種があります。みな私がアフリカから持ち帰ったものです。レギーネ黄色原種の『A』と「B」、Bは後に南アフリカで「マンデラス ゴールド」と命名されました。3番目は、ジャンセア オレンジ色種の「ユイテンハーグ」です。その後、彼らは、台風をはじめ、凍る寒さなどの自然災害を何回もくぐり抜け、或いは耐えてきた「つわもの」なのです。

 初めの頃は、他のストレリチアとの違いは、余り感じられなかったのですが、近頃になって、株が殖えてきて集団となりますと、その「オーラ」とも言うべき表情が束にになって強く感じられるようになってきたのです。この3種に共通するのは、硬く、引き締まった体と、直立する姿です。

 原種とは、生まれる時から自然のふるいに掛けられ、その後も、厳しい環境の中を生き抜いてきた、いわば、エリートでもあるのです。しかし、すべてが優秀な性能を備えているわけではありません。ピンからキリまであるのです。その中から人の目で選ばれたものが栽培されてきました。私の所の3種は、それでした。レギーネ黄色種のAとBは花色で選ばれましたが、ジャンセアの方は、苞の色と草姿で選ばれたようです。このように選ぶ方の基準も様々です。