ストレリチア秘話No.111 ストレリチアの水やり その1 地植え

 ストレリチアの栽培相談で受ける質問で多いテーマです。どんな植物の栽培でも、必ず起きてくる事柄ですから当然のことです。昔から植木関係者の間で言われ続けてきた言葉に「水やり3年」があります。一つの植物の「水やり」を身につけるには3年かかる、ということなのです。簡単に考えるでないと。まず、1年目は、「乾かしすぎ」か、「やり過ぎ」のどちらかに偏りがちです。その結果、失敗して、2年目は、逆のやり方に変えます。これも失敗です。ようやく、3年目になって中庸に近づく、というわけです。私などは3年どころか、60年以上の経験がありながらも、いまだに間違いを犯し、ストレリチアの対応の幅広さに助けられている有様は冷や汗ものです。

 さて、ストレリチアには、それなりの事情がありますから、ストレリチアに会わせた水やりが必要となります。自生地の南アフリカの年間降水量は約500ミリで、これは私たち日本の3分の1以下です。この少ない雨を、降ったときに十分に溜め込み、長く続く乾いた季節をしのぐのです。我が国での地植え栽培は楽です。雨の量が多いのは、水はけ良く植えることで解消することが出来ます。ですから、水やりは不要、雨任せですませられるのです。

 地植えでは、水やりの問題は殆どありません。寒さ対策の方が重要なのです。