ストレリチア秘話No.115 ストレリチアと共に生きる  その1 『出会いから始まる』

 いま、ストレリチアを手元に置いている人は、これから、この植物とどんな付き合い方をしていくことになるでしょうか、人により様々な道筋があることでしょうが、それを辿ってみることにしましょう。

 最初の出会いの場は、いろいろ違いはあるでしょうが、共通するのは一点だけ、ストレリチアの不思議な魅力にとりつかれ、手にしないではいられなくなってしまったことです。

 いよいよ進み始めたのですが、やがて進む道が大きく二つに分かれます。一つはストレリチアを他の草花や植木と同じ扱いにします。つまり、ストレリチアを特別扱いはしない、魔力にとりつかれない道です。この人たちにとっては、ストレリチアであれば良いのであって、それ以上は望まないことが多いようです。

 もう一つの道は、ストレリチアの魅力にとりつかれてしまい、どんどん深入りしてゆく人々が出てくることです。これを悪くいうつもりはありません。私自身も、そうなのですから。結果として、普通では満足できなくて、もっと、もっと、と品質や技術の向上を目指し始めます。世の中の進歩は、こういう人々に支えられているのです。日本のストレリチアがレベルの高いのは、日本人に、この傾向が強いからなのだといえそうです。自生の花の多い南アフリカでは、あまりにも、花がありすぎるので、せいぜい、その中から良いものを選び出すぐらいで、それ以上のものを作りだそう、という意欲まで進まないようです。