ストレリチア秘話No.265 将来の使われ方

 ストレリチアは現在では、原産地の南アフリカばかりでなく、カリフォルニアでも日本でも、 或いは他の国々でも、公共施設を始め、様々な場所に植えられ、その特色が利用されてきています。しかし、よく見ると、殆どがレギーネでジャンセアやパーヴィフォリアは、まず見かけません。本家の南アフリカでさえも、そうなのです。原因は、手に入りやすさの難易にあります。ジャンセア パーヴィフォリアは、 まだ、ふんだんに使えるほどの数がないのです。

 南アフリカでは、 高速道路の分離帯にレギーネが多く植えられていて、 なかなか良い使い方と感心させられます。コンクリートのような硬い無機物ばかり多い風景の中に、やさしい植物が見えるとドライバーは、ホッとした気分になるからです。それも栽培に手のかかる植物では手入れの出入りに危険が伴いますが、 その点、 放任出来るストレリチアは、うってつけなのです。 欲を言えば、 ジャンセアカパーヴィフォリアなら文句なくパーフェクトなのです。 レギーネは葉が密生してくると視界を遮りますが、 無葉系なら、葉柄が密生しても、隙間だらけで見通せます。 向こうまで見えることは安心感を生むのです。

公園や庭の植栽でも、今までのレギーネとは違った印象で人々の目を楽しませてくれることでしょう。 生産量が増えてくれば、これは可能です。利点は、まだ、あります。それは葉が小さかったり、なかったりで、雨、風で傷つくことがないことです。スッキリとした姿がエキゾチックな気分を味あわせてくれることでしょう。