一般趣味家の中、一部の人たちには、ストレリチアに施肥、温度を初めとする、環境条件を変えることによって、無限とはいわないまでも、性能を大きく改善出来るとの考え方があるようなのです。自分の描く理想の姿に近づけようとするのは麗しいことですが、それを栽培技術でカバーしようとしても限界があることを知らなければなりません。
栽培とは、その植物が持って生まれた性能を力いっぱい発揮するように手助けすることにあります。しかし、そこには身についたDNAの限界が厳然として存在していることを知る必要があります。技術的手段が有効に働くのはそこまでであって、それ以上は不可能なのです。
残された手段は、ストレリチアの遺伝に手を加えて、今までの活動範囲をもっと広げることしかありません。簡単なことではありませんが、この地球に生命が誕生して以来、次々に進化を遂げてきたのは、DNAの変化であったことは忘れてはならないことです。
また、人が生物の遺伝に手を加えるようになったのは1万年前の農業革命以来です。
栽培には、それなりの守備範囲があり、それを越えては無効となります。あとは遺伝の働きに任せねばならないのです。

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