ストレリチア秘話No1086 永年作物こそ 優秀品種は宝物です

 私は50年近くもストレリチア栽培を続けてきたハウスの近くを、よく通りかかります。

否応なく見えてしまいますから長い間の経過を知っています。私が知る限り、少なくとも今までに4回は掘り上げ、植え替えを繰り返してきています。良く殖える系統ですから、植え替えても、じきに混みすぎになってしまうからです。でも、ここでは、その問題ではなく別な見方です。株が殖えすぎて植え替えるのですから選抜のチャンスです。良い系統だけを残し、後は捨てますから、一回だけでも相当に水準が上がるはずです。

 しかも、それを4回も繰り返したのですから、普通に考えれば一級品揃いになっているはずですが、実態は、良くない系統の集団です。何しろ,元が「どんぐりの背比べ」だったのですから、選んだところで大きな違いは現われるはずがないのです。

 これがもし、その中に一株でも優秀品種が入っていたのなら、今頃は、殖えて大騒ぎされるほどの状態になっていたことでしょう。ところが実情は情けない有様で、止めるに止められず、仕方なく続けているのが現状です。ストレリチアが女王としての仕事なら質が問題になりますが、召使いとしての働きでは質ではなく量だけなのです。

 ストレリチアは生育に年数がかかるのが難点です。でも、いくら年数を掛けても、方向が間違っていてはどうにもならないのです。これが永年作物、ストレリチアの怖ろしいところです。

 心すべきなのですが、よほどの心構えでないと流されてしまう実例です。