ストレリチア秘話No.572 ストレリチアと雑草 その2

・ニラ

 畑で野菜として栽培されていたのが、いつのまにか雑草化していたのです。このように地域によって雑草も違ってくるようです。それでも、やっと雑草を退治しても、気がつくと別の雑草が取って代わっていた、というように主役の入れ替わりも起きますから、気が抜けません。あきれるのは寒さに強いことです。真冬なのに、種子は平気で発芽してくるのです。霜なんかへっちゃらです。ストレリチアだったら、一日も耐えられないでしょう。こんな強い植物が邪魔者として存在するのです。でも、小苗の内は、楽に取去ることが出来ます。但し、塊茎はつぶさなければなりません。放置したら、もう、お手上げです。根本的な処置は、親株に種子を作らせないことです。夏の終わりに伸びてきた花芽を抜き取ってしまえばよいのです。ただし、一回では済みません。こうすれば、苗が殖える心配はなくなります。幸い、どこにもある雑草ではないので、外から飛んでくることは少ないのです。

・スギナ、ドクダミ

 主に地植え栽培の雑草で、鉢植えでは気になりません。ともに地下茎で殖えるのが似ています。痩せ地に生える植物だから、肥沃な土壌では弱る、との説を聞いたので、肥料を施してみたのですが、効き目はありませんでした。酸性土壌は嫌う、との説もありましたので、石灰を撒いたのですが、これも効き目はありません。結局、決め手がないのです。

 それでも、数年もすると、あれほど元気に繁茂していたのに、と思うほど下り坂になっています。これは、我が物顔に振る舞っていたのが、やりすぎで、自己忌避物質が増加してきて、「いや地現象」を起こして弱り始めたのでは無いか、これは、わたしの見解です。スミレ、エビネ、マーガレットでは知られた現象で、彼らは一カ所に留まってはいられないのです。自分の排泄物が溜まりすぎたのか、他感作用物質を出したはいいが、自分も影響を受けてしまうのか、兎に角、同じ土地に住めなくなって、次々に移動する習性です。畑の作物の連作障害も似たようなものです。

 「おごれる者も久しからず」ではありませんが、だからといって消えるわけではありません。

 少しは残っているのです。でも、あの全盛期のれぶりからみれば温和しいもので、まあ、これくらいなら許せるか、といったところです。

 除草剤を使うなんて、とんでもないことです。ストレリチアだって雑草と似たようなものです。害がないとは考えられません。