ストレリチア秘話No.577 ストレリチアは少しは無理が利く

 ストレリチアは頑固だとはいっても、そこは生きている生物ですから少しは無理が利きます。そこが機械のような無生物と違うところです。

 正月を間近に控えた暮れはストレリチアの切り花が一番、必要とされる季節です。そこで、どうしても、との要求にしかたなく、まだ、開いていない音を引っ張り出して無理に数を合わせることも時にはあります。これは、どんなでもやれるわけではありません。もう少しで開く状態になっているけれども、まだ、二、三日はかかるのを早めるだけのことなのです。

 無理矢理、やるのですから、傷つけないよう、熟練の技が必要です。しかも、姿を調えなければなりませんから、半日程度の余裕をみます。

もう一つは、一般には必要のないことですが、交配時にも融通が利くことです。オシベの花粉は成熟しなければ使えませんが、メシベの方は、まだ、未熟(花弁が、まだ白い)でも花粉を受け付けます。私は手間を省くのに、まとめて作業するのに利用しています。

 小苗の移植を早めにすることもありますが、これなどは無理にやる必要などないことです。まだ、他にもあるでしょうが、そこは無理なことをさせるわけですから、注意深くやらなければなりませんし、また、やらないに越したことはありません。