ストレリチア品種の解説をするのが私の仕事の一つです。品種の良し、悪しを評論するのですから正確を期さなければなりません。ここに一つの例として、「マンデラスゴールド」を挙げてみましょう。
まず、季節を選びます。ストレリチアは品種によって開花の時期が違います。早咲きもあれば、遅咲きもありますが、その品種が最も多く咲く季節であれば、その品種の特性が余すところなく表現されているでしょう。マンデラスゴールドは早いので11月、遅いので1月が開花期です。(これは環境条件によって差があります)早過ぎは未熟、遅いのは疲れの恐れがありますから、中間の開花を選びます。
次は、同じ株があるなら、一番、充実した株を選びます。花の養分に不足があったのでは完全とはいえません。花の大きさ、苞の太さや他にも影響するからです。
第三は光線の当り方によっても差が出ます。遮光下、ビニールやガラス室、直射日光の紫外線に当った場合、それぞれ、違います。これには置き場を変えねば出来ないことなので一年では済まず、2、3年がかりとなってしまいます。
第四は、開花直後ではなく、二、三日、置いてからの観察とします。これは苞の赤色が完成するのに時間が掛かるからです。
このような経過を辿って、やっと、その品種の評価が定まるわけです。これが標準となるわけですから、同じ品種であっても、こうならない場合は、どこが不具合であったかが分るわけです。
