この「ストレリチア秘話」も、とうとう 600号を迎えました。最初、書き出した頃は、せいぜい100、多くても200号止まりでタネが尽きるだろうと思っていたのですが、こんなに長く続くとは。中には重複した部分も数多くありましたが、それは、強調したい重要な部分だったから、といいわけしておきましょう。全体を通じて一貫した道筋は、「ストレリチアとは、いったい、どんな植物なのか」を追い求めることにありました。でも、まだ、言い尽くせた気がしないのです。まだ、しばらくは続けようと思っています。
生物は、みな、進化の途上にありますから、変化してゆくことは避けられません。ストレリチアとて同様ですが、園芸植物は人の手によって大きく変えられる運命にあります。
人の望む方向へ品種改良が進んでしまうのです。では、一体、ストレリチアは、いま、どんな方向へ向かっているのでしょうか。
- 開花に季節感がなくなる
- 元々、ストレリチアの開花期は一年の内、10ヶ月に渡っていました。それでも晩夏から初秋は極く少なく、涼しくなるににつれ多くなり、冬の寒さで抑えられ、春には、どっと増え、初夏には、残り物、程度となる流れでした。これには種や系統による違いもありました。レギーネのオレンジ系は秋咲きの傾向が強く、黄色系は、遅れて冬咲きが多く、ジャンセアは冬から春が中心となります。
開花期が10ヶ月あるとはいえ、季節によって大きな開きがあったのですが、この差が埋まりつつあります、ことにジャンセアゴールドの出現によって春から初夏の開花が多くなったことは有り難いことです。残るは初秋だけです。
- 元々、ストレリチアの開花期は一年の内、10ヶ月に渡っていました。それでも晩夏から初秋は極く少なく、涼しくなるににつれ多くなり、冬の寒さで抑えられ、春には、どっと増え、初夏には、残り物、程度となる流れでした。これには種や系統による違いもありました。レギーネのオレンジ系は秋咲きの傾向が強く、黄色系は、遅れて冬咲きが多く、ジャンセアは冬から春が中心となります。
- 華やかさが増してきている
- 萼片がオレンジ色しかなかったのに黄色種の出現で少し、にぎやかになり、苞の紅色が鮮やかになってきました。花は美しくなければならないのです。この傾向は、ますます続くでしょう。
- 花立ち良好に
- これがストレリチアの欠点だったのです。いくら花が良くても、花数が少なくては見栄えが劣ります。寂しい感じになってしまうのです。ここのところへ来て、やっと気づき、関心が高くなってきました。花立ち優良な系統が出回れば、ストレリチアの人気が上昇することは間違いありません。
- 矮性種の登場
- 我が国の住宅事情から見て最適なストレリチアでしょう。まだ、数が少ないので知られていないだけなのです。生産に年数がかかるので、すぐにと一段うわけにはいきませんが、将来が有望です。特別な極矮性は栽培技術、その他の問題が残りますが極致の世界としておきましょう。
- 愛好者の層は?
- 栽培条件や価格からみて、草花並に横に拡がることはないでしょう。どこにでもある、一般的な花になるのは、ストレリチアの矜持に反すると思っています。従って、愛好者は縦に拡がるでしょう。一般的な栽培から高度なレベルの追求に至までの深さの差です。それにつれて眺める側の鑑賞眼も高くなることでしょう。
ストレリチアの進化は、まだまだ、続きます。
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