ストレリチア秘話No.632 あなたはストレリチアとの関係にどんな必然があったのですか?

 私はTV局や雑誌社の取材をうける度くたびに、よく聞かれました。

「あなたは、どういうきっかけでストレリチアと関わるようになったのですか?」と言う質問です。そのたびごとに私は困りました。マスコミ関係者にとっては、『こんな特殊な花に人生をかけるのには、何か特殊な事情があったに違いない。そこを問い正すことに大事なポイントがある』との思いがあったからでしょう。或いは、ごく普通の質問だったかもしれませんが。

でも、私にしてみれば、少々は普通を超えた出会いがあったとしても、それは、そんなに人目を驚かすようなものではなかったので、こんな説明で良いのか、と困った気分になったのです。では、あくまでも普通の気分でストレリチアにのめりこんだのかといえば、そうともいえない部分もありました。

でも、それは出会いが良かったからではなく、ストレリチア、そのもののよさに惚れ込んだのは後からだったのです。それがなければ自分の人生をかけることにはならなかったことでしょう。人と人、人と物の出会いが人生を決定づけるのは、こんなことではないでしょうか。

その後、南アフリカで自生のストレリチアに出会ったことが大きな原因でもありますが、それさえもすべてではありません。南アフリカ訪問では途中で、どうにもならなくなり、あきらめて日本へ帰ろうとさえ思ったことがあったのです。そこで助けてもらった人たちのおかげがあったからこそなのです。決して何もかも調子よく進んだのではありません。その時々の出来事のおかげだったのです。

 これからストレリチアに関わることを夢見る人もいることでしょう。それには、それなりの資金が掛かることは当然ですが。でも、それがすべてではないのです。自分の人生にストレリチアを重ねる事が出来る人が望まれているのです