ストレリチア秘話No.718 同じストレリチアでも葉があると無いとでは大違い

 レギーネとジャンセアでは大きく異なります。

 同じストレリチア属でありながら、レギーネとジャンセアでは大きな違いがあります。見た目は、葉が有るか、無いかの差ですが、実は、これが大きな違いを生んでいるのです。普通の植物は葉がありますが、中には失ってしまったものもあります。これを日本語では「葉が無い」と表現しますが、英語では「葉が欠けている」といいます。つまり、あるべきものがないと考えるのです。ところが、これは似ているようでいて、実は根本的な違いがあるように思えます。英語風の考え方では、本来、植物は葉があるのが当然なのに、何らかの事情で失ったのであろう、との見方に対し、日本語では初めから無かったような意味にもとれます。

 でも厳密に観察するとジャンセア無葉系でも、葉があった痕跡が残っています。どうやら私は英語の方が正確な表現に思えます。ストレリチアに、この葉が有る、ないは扱い上、大きな差をもたらします。その原因は葉があれば水分の蒸散があり、なければ少なくて済むことです。レギーネは葉がありますから水分を多く必要とし、ジャンセアは少なくて済みますから乾燥に耐えます。実はこの差が植え替え、株分け時に大きな違いを生み出すのです、レギーネは、葉からの蒸散のために痛みが激しいのに対し、ジャンセアは、わずかしか影響がありません。つまり、余り気を使わずにすむのです。

 これは栽培上、大きな違いです。ジャンセアの方が気楽に扱えるのです。輸送の際の痛みの差もあります。