ストレリチアの優秀品種は、つい、この間までは自然にあった原種の中から選び出されたものに限られていました。ところが近年になると事情が変ってきたのです。原種は調べ尽くされて、これ以上は目新しい品種が出現することが無くなった代わりに人工交配が始まり、人手による新品種が登場する時代となって来ました。自然からの選抜は自生地の南アフリカでしたが、交配、育種の先端は我が国、日本が中心です。自然選抜は原種の故郷でなければ出来ませんが、交配は技術さえあれば、どこでも可能なのです。
では、自然の原種からと、人工の品種とでは違いが出るのでしょうか?これは難しい問題ですが、やがては登場してくる品種が証明してくれることでしょう。自然であれ、人工であっても、選び出すのは人ですから、規準に大きな違いはないように思われます。
でも違う点もあるのです。原種の進化は自然が方向を定めてきたのに対し、人工では人の好みや希望が優先するのです。事は遺伝が決定することですから、必ずしも人の考え通りに運ぶわけではありませんが、交配の目的によって親株が選ばれるわけですから、或る程度の指示は可能です。
それにしても伝統的な交配に頼る場合は、現在のストレリチアが持つ遺伝の範囲内に限定されるわけですから、驚くほどの変化にまでは至らないでしょう。遺伝子組み替えや突然変異が起きた場合は、また別な問題が起きてくるでしょうが、まだ現実化していません。
とにかく、ストレリチアの世界も新しい時代に入ってきたようです。

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