ストレリチア秘話No.958 環境条件に対しての反応の敏感さと寛容の違い

 アフリカ南部の乾燥地帯に住む人々にとっては「お宝」のような存在の果実です。ストレリチアと同じような環境条件なので、早くから関心を持っていたのですが、なかなかチャンスに恵まれませんでしたが、ようやく実験を開始し、2年目になったところです。私が関心を持ったのは、それほど貴重品扱いをしていながら、人工栽培の例がなく、自然に頼り切っているのが不思議でならなかったからなのです。ストレリチア研究者とは、ご苦労様で、ストレリチア栽培に何らかのヒントが得られるのではないかと欲張った気分もありました。

 「きっと、何らかの難しさ、障害があるに違いない」と。

 昨年、すぐに分ったのは、強い日光がなければ生育できないことでした。しかも、それが生半可なことではなく、生育の最大条件だったことです。植物にもいろいろあります。自分の望む条件が100%満たされないと生きてゆけない気難しい植物もあるのです。マルーラはその一つだったのです。

 今年の夏は、また一つ発見がありました。それは乾燥地帯の出身でありながら、苗は水を普通の植物以上に要求し、不足すると枯れてしまうことです。これでは現地の気象条件を考えたら、そのままでは育つことは出来ません。特別に水をやらなければ育てられないのです。

 人工栽培が難しい原因が分ったように思います。ストレリチアと違い、葉が薄く、乾くとしおれます。デリケートなのです。雨が十分に続いた異常気象の年でなければ育たないのではないでしょうか。これはストレリチアも同じです。

ストレリチアだって、日光や水が十分にあれば喜びます。でも、毎日、100%なければ満足しないほど極端な要求水準ではありません。50%ぐらいが続いても平気です。つまり、ストレリチアは必要条件に対してゆとりと寛容があるのです。だからといって、いつも、ほどほどでいいというわけではありません。時には100%満足もさせてやるのが配慮というものです。