ストレリチア秘話No.234 サンバードにも好みがある? 

 ストレリチアの研究者とは、どんなつまらないことであっても、そこにストレリチアの謎を解くヒントがあるのではないかと探し回るものです。サンバードは、ストレリチアとは、お互いに助けたり、助けられたりの関係で共に進化してきた仲です。これに関心を寄せるのは当然のことといえるでしょう。

 私はサンバードの撮影を何回もやってきました。その時は気づかなかったのですが、後で現像されてきたものを見て、「あっ!」と驚きました。それは、レギーネやジャンセアの花に来ていたのはサンバードでもオスが、ニコライではメスと、はっきり分かれていたのです。ストレリチアが、どれか一種だけの自生地では選ぶことはないでしょうが、混在している自生地や公園では、どちらか、好みの方へ行くらしいのです。

 レギーネやジャンセアは広々とした風景の場所にあり、遠くからでも見つけられるように目立つオレンジ色の花を付けています。サンバードもオスも青紫色に鮮やかな赤色の派手な羽毛をまとっています。これに対し、ニコライをはじめ、大型種は、濃い灰色の苞に白い花で、そこへやってくるサンバードのメスも灰色で、お互いに地味な装いで目立ちません。色彩の違いだけではありません。広い草原では外敵にねらわれることもあるでしょうが、大型のストレリチアの花は10メートルもの高いところで、しかも、大きな葉にかくれて割と安全なのです。

 これらのことがらがストレリチアにどんな意味をもたらしているのかは、まだ、わかりません。こんなことまで気にするなんてご苦労さまなことです。