ストレリチア秘話No.238 ストレリチアは孤高の植物 「地植えの心得」

 ストレリチアに関わる人は心得ておかなければならないことがあります。それは、「ストレリチアとは、どんな植物なのか」を知るということです。これを持たないと見当違いなことをやってしまうことになります。  

 ある別荘風の庭園にストレリチアが数株植えられているの見ました。そこでのストレリチアは他の植木といっしょに茂みを構成していて、やっとで花を咲かせてはいるものの、脇役のような感じで、ストレリチア本来の魅力が発揮されてはいませんでした。

 自生地でのストレリチアは、それぞれがある程度の距離で分散して生きています。密集することは殆どありません。日陰を作るような木もなければ、生育の邪魔になるような丈の高い草もありません。せいぜい短い草が、わずかに生えている程度で、決して邪魔にはなっていません。つまり、日当たり、通風十分で孤立したような存在となっているのです。これは雨が少ないためにほかの植物は育たないからでしょう。

 このような環境で生きてきたストレリチアは、この条件が身についてしまっているはずです。庭園にストレリチアを植えようとするとき、念頭に置くべきは「孤高」の存在として扱うべきであって、脇役やその他大勢の一員のような待遇は決してやるべきではありません。こうすることによってストレリチアは本来の「オーラ」を発揮してくれることでしょう。