ストレリチア秘話No.268 変異の王者 パーヴィフォリア

 ストレリチアも大型の有茎種は、それぞれの種の中では個体差は、あまり認められないようです。ところが小柄な無茎種では、どの種も変異が多く、中でもパーヴィフォリアは特別、多く、 一株、一株が違うほど個性的なのです。これは、この種の出自が、移行途中の中間種、いいかたを変えれば 「雑種」であるから、といえましょう。つまり、レギーネにも、ジャンセアにも似てはいるものの、 そっくりではなく、中途半端なのです。草丈の高低、葉の長さ、幅、 形、苞の彩り、 とあらゆる点で一株、一株が違います。注目すべきは黄色系で、美しい苞の出現率が他の種よりも高いことです。

 それに矮性種が、この種に多く生まれることも特色の一つです。このように変化が多いのは、栽培の楽しみが大きいことを意味します。しかし、一株しか持っていないのでは、違いに分かりようがありません。どうしても数多く持って初めて、その変化が楽しめるからです。 だからといって無限に持つわけにいかないのが悩みとなります。困っちゃいますね。