ストレリチア秘話No.269 ストレリチアの葉が働くのは2年余りです

 ストレリチアの栽培相談で、よく訊かれます。

「古い葉は切り捨てていいんですか、 それとも残した方が?」

 私は、「汚らしい、 邪魔だ、と思うなら切り去ればいいですよ。 気にならないのでしたら放って置いてもいいです。 どちらでも、 あなた次第です」と答えています。

 ストレリチアの花は、2年目の葉から出ます。咲かせ終われば役目を終えたことになりますから、 3年目になれば光合成もしなくなって、後は、内側の若い葉や茎を守る役目ぐらいしか残っていません。2年余りの「余り」とは、そういう意味だったのです。2年を過ぎれば、 その人、 次第の扱いでいいのです。 カイガラ虫に悩まされたら、早々と2年で切ってしまうのがいいでしょう。この虫は古い葉に残っているのですから。大型種の葉は、成熟する頃には葉脈にそって、ずだずだに切れてしまいます。これは強風のために起きることなのですが、実は、これで風が吹き抜けて、株全体が倒れるのを防いでいるわけですから、 これは自然な姿だといえるでしょう。レギーネやジャンセアのような小型種は、こんなことは起きませんが、それでも古い葉は株を守る働きをしています。盆栽や庭木は剪定をしますが、 ストレリチアでは、やるか、やらないかは、気分、或いは、状況次第といっていいでしょう。