ストレリチア秘話No.304 ストレリチアの謎の解読 

 「世界中のどこにも存在しないような野性的かつ原始的エネルギーが、アフリカにはあるようだ。アフリカが全人類の生誕の地であるという事実と、関係があるのかもしれない。すべての人間にとって、アフリカ行きは故郷へ帰ることを意味するのだ。その地には我々へのメッセージが待っているが、解読は困難である。」(ライアル ワトソン著「アフリカの白い呪術師」より)このワトソンの言葉は、強く、私の胸に迫ってきます。私も、何回もアフリカの地に立ち、その土地のエキスを身につけたかのようなストレリチアの自生に出合い、その発するメッセージを解読しようと苦闘してきたからです。

 人類発祥の地と考えられているのは、アフリカ大陸の東部を南北に数千kmに及んで大地が裂けた「グレート リフト バレー」です。この谷の南の端あたりで、人類の遙か昔の先祖、「猿人 アウストラロピテクス アフレンシス」の化石が発見されています。ここを、もっと南へ下ってインド洋に面した地がストレリチアの故郷です。

 このグレートリフトパレーは、平地から谷底まで1000mもの深さがあり、起伏に富んだ様々な地形が入り組み、複雑な環境、気候を示しています。ここで生まれた人類の先祖は、「生き抜くためにはく創造性>を発揮せねばならなかった」それが進化を促したに違いない、との学説もあります。

 だからといって、この谷の生物、すべてが人類のように進化したわけではありません。環境の影響の受け止め方は生物によって様々で、そのトップが人類だったのでしょう。ストレリチアも、その一つだったろうと思っています。でも、こちらは、パレーから少々、外れたところですが。

 ストレリチアが、このようなアフリカの原始的エネルギーを秘めているにしても、ワトソンのいうように解読するのは困難です。何とは無く、ぐらいでしたら誰でも感じ取れるのですが、それを少しでも分かりやすい形に引き出そうと苦心するのが有種家の仕事といえましょう。でも、相手が、よく分かっていないのにやらなければならないのですから悪戦、苦闘の連続です。