ストレリチア秘話No.309 ストレリチアに何を望みますか

 植物の親しみ方にも、いろいろあるみたいです。初歩の頃は無我夢中、好きでのめりこんでいるだけで、何が何やら分からず、没頭して楽しんでいる時代です。それが、慣れて、落ち着いてくると、植物と自分との距離を、もっと縮めるようと栽培技術にみがきをかけるようになります。上級者にもなると、自分の好みがはっきりしてきて、それを追い求める段階にまで達するのです。ここら辺りまでくれば一人前といえるでしょう。さて、ストレリチアでいえば、どんな状況になるのでしょうか?

 ストレリチアは、種によって様々な個性を持っていますから、その特徴を生かすのが上級者といえるでしょう。庭園に植えたり、鉢植えを並べて雰囲気を構成しようとする時に、まず、表れます。

・豊かな緑でボリューム感をだすにはレギーネが最適です。

・爽やかさを演出するのでしたら、鋭いくらい直線を描くジャンセアがよいでしょう。

・この中間が望みなら、パーヴィフォリアがよいでしょう。

・ケープ タウンキリステンボッシュ植物園で、花壇の縁取りに矮性のレギーネが植えられているのを見かけましたが違和感がありました。ストレリチアに引き立て役は似合いません。主役でなければならないのです。

・庭へ植える場合は、周囲の環境との釣り合いが大事です。例えば、直線で構成された建造物には、雰囲気を和らげるにはレギーネを、強調したかったらジャンセアを、のように。

・混植することもあるでしょう。組み合わせや配置には工夫が必要です。

・開花時期にも個体差がありますから、組み合わせは無数にあるといってよいでしょう。

 ストレリチアは、どの種がいいか、悪いかではなく、それぞれの個性を、どう生かすか、にかかっています。これが出来て上級者です。