私が見た自生地のストレリチアは皆、適当な間隔で自立していて、隣同士がくっ付きあっている姿はみたことがありませんでした。その時は大して気にも止めませんでしたが、あとになって気づかされました。自然の摂理の奥深さ、をです。ストレリチア栽培農家のハウスをのぞくと、大抵が密生状態のジャングルのように混みあっているのを多く見かけます。植える時の苗は小さくて、将来、どうなるかが想定出来ていなかったからです。ストレリチアは隣同士が葉や根がふれあうのを嫌います。孤高の植物なのです。私が「ストレリチアは王者としての待遇を望んでいる」という条件の一つは、このことなのです。
私の所では、最初、90㎝の間隔で植え付けました。しかし、10年もすると混みあってきました。そこで仕方がなく、2倍の180㎝にし、通路も200㎝と広くとりました。それでさえ、20年後の現在では、隣同士がくっ付き合ってしまっているのが大部分です。
鉢植えの場合は移動自由ですから、あまり問題はありません、それにしてもストレリチアらしさを生かすには、株自体でなく、周囲との間隔にも気を配らなくてはならないのですね。
