ストレリチア秘話No.314 ストレリチアは「私の分身」

 植物と人との関係を、どう意識するかは人さまざまでしょう。単なる物扱いから擬人化してまで可愛がる人まで、幅広い範囲に広がっています。私は、といえば、私自身の外側に伸びた「分身」がストレリチアなのだ、と感じています。言葉を換えれば、ストレリチアは私自身を表現している、と思っているのです。こうなると、あだ疎かなことではなくなってきます。前の章の「代理人」とは似たような意味ですが、ここでは、少し、角度を変えてみました。

 生物の分身ですから、固定していません。年と共に変化してゆくのは当然です。私自身が変われば、ストレリチアも同様です。20年以上も前の分身ストレリチアは、オレンジプリンスで、その後、ゴールド クレストに交代しました。次は、ジャンセア、パーヴィフォリアが引き継ぎ、現在では、ジャンセアゴールドがトップの座に就いています。先々が消えたわけではありません。新しいスターが登場する度に順位をゆずっていくのです。存在がなくなるわけではありません。

 これから先も、次々と新顔が現われてくるでしょう。私自身の成長と共に。私が止まれば、ストレリチアも止まってしまいます。何しろ、一心同体、分身なのですから。

 ここまでひどいマニアでなくても、なんらかの形でストレリチアと関わることに変わりはないでしょう。ただ一つ、困ったことがあります。それは、私たちがどんな、ストレリチアを愛そうが、それは個人の好みですから、何ら差し支えはありませんが、私たちは同時に社会的存在でもあることです。つまり、社会の評価も受けてしまうことです。私の分身の良し、悪しは、私自身のそれにつながってしまうことなのです。

 何とも、困ったあ・・・なのです。