ストレリチア秘話No.327 人と運命をともにするストレリチア優秀系があるとおもえば、しぶとく生きる雑系ストレリチアもあります。

 ストレリチアの素晴らしさを世に広めるのが私の使命と思っています。そこで、これこそは、と思うストレリチアを世に送り出すのですが、それが活躍する姿に目にすることは少なく、逆に、こんなストレリチアは早く消えてもらいたいと思うような株があちこちに広まっているのを見て、これは、一体、なんだろうと思わせられることがしばしばです。

 飛びきりの優良種だけを選んで持ち帰るお客さんがいました。見せてくれた写真には、べランダに所狭しとストレリチア優良系が並んでいました。近頃は音信不通です。相当な高齢だったので心配しています。後を引き継ぐ人がいなければ、人と共にストレリチアも消えゆく運命にあります。似たような人が、まだ、2,3人いますが、こちらは、未だ若いのですが、様々な事情があるのでしょう、以前のような情熱ではなくなったようです。ストレリチアは、人と共に生きています。最後は運命を人に託さなければならないのです。優良種は人にかわいがられるだけに、これを強く受けるように思います。あまり、人目にふれることのない存在だから尚更です。

 それに引き換え、やたらに目に付く、上等とはいえない、たくましいストレリチアもあります。元はといえば、持ち主が嫌気がさして投げ出したり、花立ちの悪いものは、よく殖えますから、それを気軽にもらったものなどです。タダでもらったものですし、もともと、形質の良くないストレリチアですから、丁寧な面倒はみてもらえず、哀れな姿をさらしているのが多いようです。これがストレリチアか、と思われてしまうのかと、暗澹たる気分にさせられてしまいます。

 適当な例えではありませんが、「悪貨は良貨を駆逐する」に似たようなもので、優良品種は大切にしまいこまれて人目にふれることはなく、捨てられ同様のものがはびこっているのが現状です。

 ところで、スターとも呼べるストレリチアの実物をみたことがありますか?この経験が無いと、この章の意味は理解できません。