ストレリチア秘話No.357 新しいストレリチアジャンセアの育成を目指す

 これは、まだアイディアの段階で実際の行動に移るのはこれからのことです。

ストレリチア、分けてもジャンセアは、株がしっかりと丈夫で、傷害に強く、扱いに気を使わなくて済むのが長所ですが、その反面、成育に時間がかかり、花立ちも、やや少ない欠点ももっています。これはこれでよいのですが、欲を言えば、もう少し扱いやすい系統がないものか、と考えるのが育種家の性(さが)です。

 すでに黄色種のジャンセアゴールドが生まれていますから、今度はオレンジ色系の番です。その手順は難しい事ではありません。花粉にパーヴィフォリアセットラーズパークか、或いは、その遺伝を受け継いだジャンセアゴールドを使えばよいのです。これらの系統の持つ黄色の遺伝とレギーネの遺伝で成育が早く、花立ちもよい形質が得られるのを期待出来るからです。

 ジャンセアは雨量300mm地帯の過酷な環境に耐えられるよう進化したのですが、その分、自分の身を守るために過剰とも言える防衛システムを身につけています。ところが栽培する私達の住環境は、そんなに厳しい環境条件ではなく、レギーネの育つ500m以上の農業地帯が大部分です。ですから、そんな厳しい武装までは必要なく、その分、成育、花立ちに回してもらいたいのです。

 これは、そんなに難しいことではありませんから、近い将来、現実となって出回ることになるでしょう。ついでにオレンジのパーヴィフォリアも同じです。