ストレリチア秘話No.358二重の感覚を持って一人前のストレリチア栽培家

 この章は駆け出しの栽培家、初心者には無理、難し過ぎるかもしれません。私達は、自分だけは暖かく暖房の効いた部屋でぬくぬくとしていて、寒さにえるストレリチアを何ら考慮することなく枯らしてしまう失敗が後を絶ちません。自分自身の感覚で生きるのに精一杯だからです。

 それでもベテランともなれば、もう一歩、突き抜けた境地に達します。今、自分は暖かい環境にいるが、今日の寒さでは、あの置き場のストレリチアは耐えられるだろうか?と、自分だけでなく、ストレリチアの分まで、つまり、二重の感覚が持てるようになるのです。ストレリチアのすべての感覚、などと欲張らなくてよいのです。たった一つ、一番、被害の多い「寒さ」だけに対するだけでもよいのです。

 こんなことを言う私も、今まで、散々、失敗を繰り返してきました。今でも、まだ、この境地には程遠い有様ですが、せめて、少しでも近づきたいと願って書いています。

 ベテランとは、自分とストレリチアの二重の感覚を持つものらしいのです