ストレリチア秘話No.367 ストレリチアを選ぶのは難しい?そうでしょうか!「その2」

 前の章でストレリチアの入手について述べましたが、今度は選ばれる側の優秀品種についてのお話です。やっとの思いで手にいれた優れものも、時がたてば、次のスターが登場してきて次席へと退かされます。これは「世の習い」ですから、どうしようもないことですから、しかたないことです。優れた品種ともてはやされても、それは未来永劫まで続くことなどありません。

 現在の最先端の系統はジャンセアゴールドで、そのトップは「カノープス」でしたが、次に矮性の「スカーレット」が登場してきて、新しい交配親として期待されています。来年には、また次のスターが現われてくるかもしれない状況です。このように次々に新花が出てくのは、入手が楽になることを意味しています。「カノープス」がいくら優秀花とはいえ、いぎ、入手しようとすれば、それは不可能に近いでしょう。つまり、現段階では常識を越えた価格になるでしょうから。それが次席に落ちれば、何とか手に入れられる価格に落ち着いてくるだろうからです。間違えてはならないのは、「カノープス」の花が悪くなったのではなく、他の個性が現われた、ということなのです。最先端の品種は、お話に登場するだけだったのに、手にすることが出来るようになることですから、これは喜ぶべきことといってよいでしょう。

 それにしても、私は首を捻っています。このように最先端は次々に進んでいるのに、一般が追いついてくるのが、いかにも鈍いのです。ジャンセアゴールドの無葉種を持っているのは、2023年現在でわずか一人にすぎません。「スカーレット?」なんて夢の中の話しみたいです。ストレリチアの世界は相変わらず「ゆっくり、ゆっくり」なんですね」