ストレリチア秘話No368 私の嘆きは先走り過ぎでした?

 前の章で私はストレリチアの最先端は、ここまで来ているのに、社会のほうが一向に追いついて来ない、と嘆きましたが、それは少々、取り違えている、と今では反省しています。

 以前、洋ランの無菌培養をやっていた頃、当時の先端技術が、実は40年も前に開発された技術であったことを知って驚いたことを思い出したのです。現在の最先端が最先端ではなかったのです。この伝で行けば、現代、華やかに進行している最新技術も、その論文が世に出たのは何十年も前だった、ということだったのでしょう。最先端の研究が実際の場に降りてくるまでのずれは当然のことなのです。 私は先走り過ぎていました。ジャンセアゴールドもカノープスも、スカーレットも、みな、まだ、私の圃場に顔をのぞかせたばかりで、一般向けの存在にまでなっていないのに気がついたのです。ストレリチアの先端の事柄が実際に動き出すのは何年も先になることでしょう