ストレリチアは鈍重で、一日当たりは、ほんの僅かしか育ちません。そんな、のろまなストレリチアでも、一年のある時期だけは、驚くほどの成長をみせる期間があります。それは真夏の8月半ばから9月の彼岸当たりまでの約一月少々の間だけです。
それだって、毎日、気がつくほどではありません。一週間ぐらい過ぎた当たりで、大きく育ったのに気がついて驚く程度なのです。それにしてもストレリチアにしては、今までにない程の速さですから、喜んで大きな鉢へ緩めます。ところが、そのスピードも、そこら辺りまでで、後は、今まで同様の育ち方に戻りますから、来年の成長期までは、やや大きめの鉢にいれてしまった、との印象を続けることになってしまいます。調子に乗って、株分けでもしょうものなら、回復など望めませんから、ひどいことになります。
この季節の成長の速さは、それまでのスピードの延長であって、確かな実力ではなかったのだ、といえましょう。しかも、これは成長期のピークであって、後は下り坂になってしまうのです。ですから、株分け、その他。無理な処置は上り坂の季節に行わなければなりません。
それにしても、生長の遅いストレリチアが、ぐんぐん育つのを見るのは頼もしいものです。