ストレリチア秘話No389 ストレリチアの意外な成育の速さ もう一つ

8月から9月へかけてのストレリチア生長のピーク時には、もう一つ、驚くほどの速さを見せるのが花芽の出現です。毎日、ほんの少しか育たない純重なストレリチアなのに、気がつくと、アッという間に花芽が伸びていて、驚かされることがしばしばあります。しかも、数mm顔を出した程度ではなく、すでに何cmも伸びてしまっているのです。これは花芽の育ちが早い、というよりは、気がついたら伸びていた、という方が遅いかもしれません。

 とにかく、この季節、花芽が続々と出てくるので楽しみが多いのです。なにしろ、「こんな小さな株なのに花芽をだすなんて!」と、花立ちの良い株を発見する喜びもあるのですから。

そうこうしている内に秋の彼岸が過ぎる頃になると、このペースが落ちてきます。そうなると、今度は、「この株は花が出ても良い大きさなのに?これは、あんまり性能はよくないなあ」と、がっかりすることも起きてきます。ピークを過ぎると、この落差がでてくるのはしかたありません。

 ところで、花芽を、タダ見ているのは素人。ベテランは、その他まで気にしているのです。

花の苞が紅く美しいのは、新芽でも、すでに色づいていますが、赤みの少ない花は、全面、緑色なのです。もう、この頃から期待がふくらんでくるのです。但し、これは実生の初花だけの場合です。

 育ちの遅いストレリチアでも、僅かなことであっても楽しみを見つけようとするのが愛好家なのです。