ストレリチア秘話No.390 ストレリチアに似た植物たち

 ストレリチア科は他とはかけ離れた存在ですから、他に似たような植物は、そうそう、ありませせん。大型種は、まだしも、バショウやバナナが似ていますが、小型種のレギーネやジャンセアには似た植物はありません。ですから、ここで言う似ているとは、形態上の相似ではなく、気候条件の好みで、生態上を意味します。

 一つだけあります。アロエです。ジャンセアのユイテンハーグ自生地には「アロエアフリカーナ」と「アロエストリアータ、和名、サンゴアロエ」が同居しています。環境条件の好みが一致しているわけです。私は「サンゴアロエ」が気に入って栽培しているのですが、ストレリチアと同居させると、どうも最高の出来にはならないのです。私のやり方では、どうも水が多すぎるらしいのです。サンゴアロエはユイテンハーグでは同居しているとはいえ、自生の中心地は、もっと内陸の乾燥地なのです。極端な乾燥地の出身ですから、私のジャンセアへの保護過剰の水やりでは多すぎてしまうらしいのです。それでも別に障害が起きるほどではありません。寒に対しても同様で、こちらの方が強いようです。

 もう一つのアロエ「レイノルジー」はストレリチアと同じ待遇がピッタリで、良く育ち、殖えてくれています。こちらは相性がよかったのです。でも、レイノルジーの自生地は、同じインド洋沿いでも、もっと北の暖かいトランスカイで、年間降水量1000mm地帯です。

 ストレリチア自生地よりも恵まれた条件に生まれたのに、寒さに対してはストレリチア同等に耐えてくれます。他のアロエより葉が薄いので、水を多く望むのでストレリチアと同じ扱いでよいのです。

 「アロエレイノルジー」こそ、ストレリチアの友、といえるでしょう。栽培場にこれらのアロエを加えるのもいいですよ。何しろ、自生地でも同居しているわけですから。雰囲気がピッタリです。何しろ、何十万年、何百万年も前から続いてきた関係なんですから。理屈も何もありません。彼らの歴史に敬意を表わせばよいのです。