ストレリチア秘話No.394 小さく 短い 切花が喜ばれ始めている

 小さく短い切り花が喜ばれ始めてきている新聞記事によると、短い切り花の需要が殖えてきている、という生花市場関係者の言葉が伝えられています。今まで切り花は長い方が使い易く、価値があり、生産者は、その為に苦労し、規格外のロスも多かったのです。それが近頃、花の需要が公式の場だけでなく、小人数や家庭にまで広がってくると、こじんまりと使い易いものが求められてきている、ということらしいのです。

 これは私にとって大きな意味を持っています。私は長い間、切り花用ストレリチアの苗の生産に関わってきました。花の品種改良の目的は数々あるのですが、その中に、「花茎の長いストレリチア」もあったのです。結果として、わたしの生み出したストレリチアは、ほほ、この目的は達せられていました。

 その後、改良の目的が趣味栽培へ向いてきたので、この花茎の長さは重要な問題ではなくなってきていました。長い花も悪くはないのですが、切り花は花だけが評価の対象になるのに対し、趣味の世界では、株全体のバランスが大切にになってきます。つまり、長過ぎも、短すぎもしない、ほどほどの長さが求められるようになってきていたのです。実は、これは、そう難しいことではありませんので、結構、気楽な気分でいます。

 矮性種の中には、花茎が短すぎるのも見かけますが、趣味として眺めるに大きな障害とは思っていません。理想は、ほどほどの長さでしょうが、色々ある方が楽しいのではないでしようか。

ストレリチアの変異は数多くありますが、花茎の長短も、その一つであることを気に止めて下さい。