ストレリチア秘話No399 私たちを驚かせてくれるのが優秀品種、気分をだらけさせるのが駄物です

 ストレリチアの成長は遅く、育っているのか、どうかが分からないほどの速さでしかありません。この、あまりにも変化のなさすぎるために面倒をみるのを投げ出してしまったり、存在を忘れてしまう人たちが多く出てきてしまうのです。

 「この人たちは残念ながら、運悪く、ストレリチアの駄物、よくいっても普通品に出会ってしまったのです」

 割合からいって、このような株が多く存在するのですからしかたないことです。これにめげず、頑張ってきたのが現在の趣味家なのですが、脱落していった人たちが多いのも確かです。

 私でさえ、いつも経験するのですが、どうにもならない株には腹立たしささえ、起きてしまいます。毎日、わずかしか変化しないことに耐えていると、或る日、突然、驚くような変化を見せるのが優秀品種で、栽培家は我慢させられっぱなしで、いつになっても報いてくれないのが駄物です。では、優秀品を持っていると、どんなことが起きるのでしょうか。

  • 「毎日、眺めていても変化がなかったのに、何日か過ぎて、しばらくぶりにのぞいてみたら、花芽が何本も顔をのぞかせていてビックリ仰天」ストレリチアは変化が少ない?なんて、とんでもない、突然、のように変身して驚かせてくれるのです。
  • 「花屋さんの店頭で見るストレリチアの花とは、比べものにならないほど美しい色彩。これでは切り花に使うのはもったいない」
  • 「咲いた花だけを見るなんて、どうかしている。花芽が顔をのぞかせたばかりの時から鮮やかな紅色を楽しめるのです。この花芽が、どんな美しい花を咲かせてくれるだろうか、と胸のときめきさえ起きてきます。これが何ヶ月も続くのですから。これではストレリチアに会いにゆく回数が多くなるのは当然です」
  • 「次は、どんなことを見せてくれるのか?と眺めるたびに期待する。例え、実際には起きなくても、なんとなく、そんな感じをもたせてくれる。これは、もう、普通のストレリチアではなく、特別の存在です」

こんな楽しみ方は誰でもできるわけではありません。こんなパフォーマンスが出来る優秀品種は数少ないのですから。ストレリチアを買うなら安いほうがよい。普通品でも十分、などと思っている限り、このような場面は期待するのは無理でしょう。