ストレリチアの栽培にあたっては栽培技術を磨くことが第一に求められます。一口に栽培技術といっても、様々な広がりがありますが、ここでは基本的な事柄にふれてみることにしましょう。
先ず、第一にしなければならないことは、自分が今までやってきたことが正しかったか、どうかを知ることにあります。ストレリチアの生長の度合いは葉や茎の生長をみるのが普通ですが、それを支えているのが根です。ところが、この根の様子は土や鉢の中ですから、外から見ることは出来ません。地植えの場合は簡単ではありませんが、鉢植えなら植え替え時が根を見ることが出来るチャンスです。
植えてから2年後なら、鉢全体に根が回っていれば合格です。今までやってきたことが間違いではなかったことが証明されるのです。もし、根の育ちが不十分であれば、水やりの過不足、肥料のやり過ぎ、その他の不手際の結果ですから、原因を調べて改める必要があります。
毎年、植え替える、つまり、1年では早過ぎます。まだ、根が完全に回っていないからです。特別に大きくなり過ぎた株なら、もっと大きな鉢にゆるめますが、これは例外です。2年で植え替えるのが標準で、まあ、3年までは許されるでしょう。4年以上は栽培ではなくて放置です。ただし、大鉢仕立ての場合は、少々、長くてもよいでしょう。3年もすると、根の育ちが良すぎて鉢が割られてしまうことさえ起きてきます。ストレリチアの根の生長の良さに驚かされてしまいます。
ストレリチアの根の生長に一番、影響を及ぼすのは水やりです。ここに栽培者の個性が表われます。可愛がり過ぎて水が多すぎると根の育ちが悪く、放置する期間が長くなると、貯蔵根だけが発達してバランスを崩します。ストレリチアの姿が栽培者の個性を表わす、といいますが、その発生源はいろいろありますが、根が果たす役割は大きいのです。
植え替えは植物の生長のための作業ですが、実は栽培者の技術の確認の場でもあるのです。これをおろそかにして漫然と植え替えしていたのでは技術の向上はありません。

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