今まで私は、これでもか、これでもかとストレリチアの美点、特徴を挙げてきましたが、それでは不十分なことに気づきました。今まで注目していたのは、単純な一つづつの条件ばかりでしたが、実は、もっと複雑で、奥深いものではないかと思い始めたのです。
ストレリチアの持つ美点が生きるには、それを働かせてくれる特質、普遍性が重なっていたからなのです。ストレリチアが、少々、条件の悪いところでも、平気で適応してくれるからこそ、自分の力が発揮出来たのです。
その事に気づいたのは、すぐれた美点を持ちながらも、別の場所に移されると全然、発揮できなくなってしまう植物が多いことでした。例えば、「プロテア」。花が美しく、生育も悪くないのに、たった一つ、日本の夏の高温に耐えられないため、栽培が出来ないことです。
これでは、折角の長所が生かせなくなってしまいます。このような例をみてくると、ただ、長所があれば良いのでは駄目で、それをいかに生かしてくれるかの能力、たとえば、環境適応力が必要だ、ということになります。この点、ストレリチアは満点なのです。
これは、私のように、有用な植物を探し求める人にとっては新しい視点だろうとみています。