ストレリチア秘話No.474 人とストレリチアの出会い

 「人は出会いによって人生が変わる」といわれますが、人と人との関わりについては私の出番ではありません。でも、人とストレリチアのつながりとなると捨てては置けません。

「人生の伴侶、とさえいえるストレリチアに出会えた人は幸せです。それはストレリチア栽培家の冥利につきる、とさえいえるでしょう」

 でも、それは簡単なことではありません。No470で名品の入手についてのべましたが、ここでは少し趣を変えます。名品が候補として有力なことは確かですが、ここでは必ずしもこだわりません。名品には客観的な評価が必要ですが、ここでは、その人の個人的判断が優先します。「誰がなんと言おうが、私は、これが好きなんだ」でよいのです。この点、犬や猫のペットと人の関わりに似ています。

 でも、少し深入りしてみると、それが「ひとりよがりや下手物趣味」で、周りの評価がよくないようでは、ちょっと困ります。少なくとも、「ほほえましい」と見てもらえる程度なら、と思うのです。つまり、あまり低いレベルでは、こうはならない、ということです。私たちは、こういう関係が築けるほどのストレリチアに出会いたいものです。

 それには「出会い」こそが、すべての始まりです。そこでは「気に入る」ことを第一条件にしなければなりません。大量生産の工業製品を買うのと同じ気分で「安ければ良い」では失格です。一生の伴侶を選ぶのに、これでは見込みありません。相手がストレリチアでなく、人であったら軽蔑されるのが落ちです。人でなく、ストレリチアだって同じ事と思うべきです。

 もう一つ、気に入ったストレリチアに出会うには、数多くの出会いが望まれます。少数の中でも、運が良ければ良い出会いがあることはあっても期待出来ることではありません。

 やはり、確率を上げるには基礎となる数が多い方が有利です。それには、見て回ることを避けていたのではチャンスは巡ってきません。

 さあ、やっとで、お気に入りのストレリチアが手に入りました。でも、これで終わりではありません。これからの手当で親密な関係になれるか、どうかが決まるのです。

 人とストレリチアの麗しいつながりが、これから多く生まれることを望んでいます。