ストレリチア秘話No475 人とストレリチアのミスマッチ それともライト?

 ストレリチアは人とミスマッチを起こし易い植物のようです。私は長い間、観光施設でお客さんにストレリチアを紹介する仕事もやってきました。そこでは、ストレリチアに対してミスマッチのお客さんが大勢、やってきていましたから、驚くことではありません。現在では、自宅で、だけですから、レベルの高いお客さんが大部分なのですが、それでも、全然、いなくなったわけではありません。

 現代は花の好きな人々が相当に高い割合でいます。それも安く、手軽に扱える草花の愛好家が多いようです。その人達が、次の段階に進もうとしてストレリチアに出会います。

 そこまではよいのですが、今までの草花の印象を引きずったままですと間違いを起こし易いのです。草花は1年草が多く、値段は安くても短期間で消えてなくなります。ところがストレリチアは何百年も生きる永年植物です。同じ心構えで対応したら間違いが起きるのは当然でしょう。価格を始め、栽培法に至るまで大きな開きがあるのです。

 ミスマッチを起こしているのは初心者ばかりではありません。長い間、ストレリチアと付き合ってきたベテランの中にも、なかなか、満足できるストレリチアに出会えていない人もいます。人とストレリチアのレベルが釣り合っていれば満足度が高いのですが、そう、簡単ではないようです。それに、人がストレリチアに不満を持つ場合だけでなく、ストレリチアのレベルが高いのに、人の方が、その本当の価値が分かっていないことだってあります。笑って済まされない事実です。事は、ストレリチアに責任を負わせるわけにはいきませんから、やはり、人が研修を深めるしかありません。「ストレリチア秘話」を書き続けていて、つくづく感じています。

 そんなことを言うあなたはストレリチアを賛美しすぎている、ストレリチアはタダの草ではないかと、いわれかねません。でも、それでは、森の野生動物並みではないか、といい返したくもなります。いえいえ、野生動物だって、周囲の草木が自分の生活に役立っていることぐらいは承知しているはずです。事物を高く評価するのは生活を豊かにすることにつながる人間の文化なのです。