ストレリチア秘話No.481ストレリチア各器官の重要度

 ストレリチアの植物体は大部分が硬いクチン質で覆われていて丈夫に出来ていますから、少々、手荒に扱われても平気です。それでも部位によって重要度が違いますから知っておくことも必要でしょう。

 第一は、もっとも大切な部分は生命活動の中心の成長点ですが、ここは茎の内部にかくされていますから、余程の事がない限り安全ですが、その先端となる新芽は、生まれたばかりの柔らかい組織ですから、傷つけないようにします。

 第二は、茎の最下部、ここから根(貯蔵根)始まる境目です。でも、ここは、ふだん地中に隠れていて見えません。植え替え時だけ、現われますが、ここはグラグラし易く、痛めると致命傷になりますから、要注意です。

 第三は、花の青紫色をした花弁です。生殖器官ですから、寒さに弱いのは、ここです。先端の雌しべから花粉の下を通って細い導管が花弁の根元の子房につながっています。雌しべに付いた花粉の精子が、ここを通ります。この頃が寒さに一番弱い時期で、導管が少し長いので通過するのに時間がかかります。この時、寒さに出会わないことを祈るだけです。種子の出来る子房は根元の白い組織の中にあります。

第四は、花びら(萼片)は強風で折られることもありますが、小鳥への誘導装置の働きですから重要部分ではありません。蕾を守るのも同様です。

 第五は、葉と柄ですが、光合成と水、養分の通り道ですから、生命維持には順位が低いでしょう。

 このように部位によって働きや重要度が違いますから、これを知って扱えば間違いないでしょう。