ストレリチアの花はさまざまな色彩で構成されています。萼片のオレンジ色(黄色も)、苞の紅色と緑色、花弁の青紫色が基本となるでしょう。私たちは、ふだん、狭い所でしか花をを見ていませんが、自生地の、だだっぴろい草原に立つと、ストレリチアの花の色が果たす役割が見えてきます
遠くからでも、よく見えるのは萼片のオレンジ色です。10m近くまで来ると、ようやく、苞の赤色が見えてきますが、緑色は引き立て役で目立ちません。中には失ってしまったのもあるくらいです。1,2mにまで近寄ると、蜜をすうための目印、青紫色の花弁が、やっと現われます。このように花の各部分の色は見る距離によって働きが違うようです。
大型種の萼片は白くて目立ちません。理由は、良く分りませんが、初めの頃は、まだ、小鳥を誘う進化にまで至らなかったのでしょうか、或いは、大柄で森林を形成するので、中距離から見えれば十分だからかもしれません。
私が苞の紅い色にこだわるのは、その方が美しいからだとばかり思っていましたが、近頃は、そればかりではないのではないかと感じています。私たちがストレリチアと接するのは、いつも、中、近距離です。ここでは紅い、華やかな色が目立つのです。このことが背後にあるのではないでしょうか。