ストレリチア秘話No.564 ストレリチアは、いつも前向きに生きる

 ストレリチアは植え替え時に根を切られると水が吸えなくなります。結果として葉からの蒸散のために、バランスがとれなくなり、しおれてきます。これを取り返そう、なんて手を尽くしたところで無駄です。いったん、しおれた葉は、どんなことをして元へは戻らないのです。やるべきことはただ一つ、代わりの新しい葉を育てることだけです。ストレリチアは、いつでも前進するだけ、後ろへは戻ることはないのです。

 でも、この現象を少しだけ和らげる方法があります。それは植え替え後の蒸散をへらすために、葉の数を減らせば良いのです。一条あたり、片側2枚ずつ、計4枚を残して、あとの葉を切り去ればよいのです。葉柄まで切ることはありません。蒸散の多い葉だけをなくせばよいのです。この作業、剪定といえなくもありません。

 光合成のために必要な葉を切るなんて、と思われるかも知れません。でも、葉、すべてが同じ働きをしているわけではありません。若い葉は活動は盛んでも、古くなれば衰えてくるのです。その古い葉を切り落としたとと、どれほどの被害があるでしょうか。残しておけば蒸散過剰を起こしますから、差し引きすると大した被害では無いと心得るべきです。

 この作業が済めば、スッキリとした姿になります。後は、完気な新しい葉が出てくるのを待てば良いのです。