ストレリチア秘話No.647 気に入ったストレリチアを入手するには?

 ここの所の秘話では、しきりに人とストレリチアとの関係を語っています。ところが、これは読んだだけで済むことではありません。どうしても気に入ったストレリチアと相見えなければ成就できないからです。

 つまり、それにピッタリのストレリチアを手に入れなければ事は終わらないのです。それなのに、この最期の手段が簡単ではありません。でも、それは当然でしょう。ストレリチア栽培で一番、難しい事をやってのけようとしているのですから。

 私の所ではストレリチアの通信販売(少量は行っていますが)はしていません。若い頃はしていたのですが、高齢となった今では、もう無理だからです。二代目の娘や孫の代になればやれるでしょうが今のところはできません。

 言い訳してみれば、ストレリチアの代弁もしているのです。私(ストレリチア)としては、

 「このような高度な品を、楽に入手出来ると考えているような人の所へは行きたくないのです。そんな人は大切に扱ってくれるはずがありませんから。私を直接見て、気に入って選んでくれたひとでなければ嫌なんです」

 と、こんなこともいいたくなるんです。人とストレリチアの関係を「人ともの」とは思っていませんから。それに同じ品種でも優秀品は、ストレリチア単品は滅多になく、大抵は2、3株に分けていますから、人の好みで選べるのです。だから、気に入ったほうを選んでもらいたいんです。

 だからといって、ストレリチア全部を、そう扱っているわけではありません。時には「ストレリチアは安い方が良いです」というお客さんもいるのですから。

 私としては、ストレリチアとの深い付き合いを望むなら、選ぶに当っては、それなりの作法があって当然、と考えているのです。確かに「滅多にない貴重なストレリチア」は、それに相応しい人物を選んでいます。誰もが手にすることはありません。